
船長
松野 直高
Naotaka Matsuno
船長
PROFILE
1982年1月入社
〈出身地〉
山口県
〈学 歴〉
広島商船高等専門学校
〈趣 味〉
ゴルフ
〈座右の銘/好きな言葉〉
感謝/生きてるだけで丸儲け

会社と、船とともに生きてきた
航海士一筋の人生
入社して41年目になり、いよいよオーシャントランスで働く最後の年になりました。入社した当初は、フェリー業界の中でも下から数えた方が早いくらいの規模でね。私自身は商船の高等専門学校に通い、その後の進路に関しては船に乗ることは諦め、博多の旅行代理店に就職が決まっていました。それでも一縷の望みで、就職課の先生に「フェリーから話があった時はぜひ」とお願いしていたんです。そしたら、博多に行く前日にオーシャン東九フェリーからお話しをいただいて…。慌てて面接に臨んで内定をいただくという、本当にギリギリのところのご縁が繋がって航海士になることができました。
そこから28歳で二等航海士、36歳でチョッサー(一等航海士)、そして46歳で船長と、今まで歩んできた航海士一筋の人生を振り返ると、本当に感慨深いですね。入社初日の研修で、先輩から「よくこんな会社に入ってきたな」なんて言われ(笑)、とんでもないところに来ちゃったなと思ったものです。その当時の自分には、この現在を信じろと言っても想像もできないだろうと思います。

船長の仕事に大小はない
日々無事を積み重ねるのみ
自然が相手の仕事ですから、準備はしていながらも想像以上の荒天に遭うことはつきものです。それでも預かった荷物を安全に目的地へ届けることが私たちの仕事ですし、この船で十数名の船員と共に、大切なお客様の人命や貨物を預かっている船長ともなれば、その責任やプレッシャーも当然のように大きくなります。だからこそ、「こんな大きな仕事をした」とか「特別な何かでうまく対処した」というスポットの達成感ではなく、いかに何事もなかったかのような無事を積み重ねられるかという部分が大切なことだと感じています。
売上を課せられた営業マンであれば、大きな契約を勝ち取ることがモチベーションになるかもしれません。しかし、船長の仕事は何もないことが一番。それを継続するためにモチベーションを高く持ち続けなければならない部分は、責任感の受け止め方と比例するのかと思います。立場の違いもあるので一概には言えませんが、若手船員にはその心構えって簡単なようでなかなか難しい部分があるのかもしれませんね。私からはそういったことを、残りの時間で若手に伝えていけたらと思っています。

社員に寄り添える会社だから
この団結力が生まれている
私がここまで長く働かせていただけたことは、ひとえに社員に対する会社の真摯な向き合い方によるものだと感じています。
会社の規模自体は着実に大きくなっていて、私が入社した当時からは比べものにならないくらいです。ただその割に、組織としては小回りが利きますし、社員の意見にも耳を傾ける姿勢がしっかり根付いている印象があります。今の若手船員は昔との比較ができないので、今が当たり前と思っているかもしれません。ですが、昔を知るものとしてはその“当たり前”も、会社自体が社員を第一に向き合い、取り組んできた末の大きな“成果”だと実感しています。
これから先は、船に関してはカーボンニュートラルや無人化構想などがあり、海運業界自体としても難しい課題がたくさんあるかと思います。新しい技術や知識に対応することは必須ですが、まずは安全航海という部分は、今も昔も変わらずに取り組むべき責務。足元をしっかりと見て、毎日の無事を着実に積み重ねていってほしいです。
オーシャントランスは風通しが良く社員を守ってくれる会社です。やりがいを持って働くためのフィールドがしっかり備わっています。未来のオーシャントランスは後輩に託しますが、一人ひとりの力を団結し、社員と会社が一丸となってより良い航海を続けていってもらえたらうれしいですね。みなさんの活躍を期待しています。